会議を行う際に、頭を悩ませる問題の一つが「席の配置」ではないでしょうか。今回は、座席の位置による心理的な影響も考えながら、代表的な席の配置をご紹介。どういった席がどんなタイプの会議に適しているのか考えてみましょう。
一般的に数人で会話をする場合、自然に直径3m以内の輪ができることが多いといわれています。これが親しい関係になると、輪の大きさは直径1.5mに縮小。だいたい食卓を囲むような距離が、近しい人と会話をする距離にあたります。また、円形の配置は参加者の間にヒエラルキーが生じないので、話がしやすい状況を作り出します。そうしたことから、適切な大きさの丸いテーブルは、議論を深めるのには最適だと言われています。
一方、プレゼンテーションなど、話し手に聞き手の意識を集中させたい時には、別のレイアウトが効果的です。例えば、U字型やV字型など、話し手に視線が集まりやすい配置が最適だと考えられています。
では、代表的な座席の配置をいくつか取り上げてみましょう。
『スクール形式』
一つ目が『スクール形式』。学校の教室のように、すべての机やイスが演台を向いているレイアウトです。発表者や演者、指導者が全体を見ながら話を進めることができ、それを受ける参加者は自然な姿勢で、話の内容に集中することができます。また机があるので、メモをとったりすることも可能です。講演会や勉強会、試験などには最適のレイアウトだと言えるでしょう。
『シアター形式』
これに似ているのが『シアター形式』。座席がすべて演台の方を向いているのは『スクール形式』と同様ですが、参加者の席の前に机がありません。メモや議事録を取る必要のない場合に使えます。机のスペースが不要な分、多くの人数を動員することができるので、発表会などはもちろん、式典や講習会にも適しています。
『ロの字形式』
『ロの字形式』は長机を「ロ」の字に配置し、その回りにイスを置いた形です。適度な距離感を持って意見交換ができるので、改まった会議などに使えます。一方で、ざっくばらんな意見交換やブレインストーミングのような場面には、あまり適さない形かもしれません。
『コの字形式』
『コの字形式』は机を「コ」の字に配置し、その回りにイスを置いた形です。プレゼンや発表を行いながら会議を進める際には、使いやすい配置だといえます。発表者に注目も集まり、しかも議論しやすい環境が作られたレイアウトです。
『アイランド形式（島型）』
『アイランド形式』は、その名の通り「島」のように、いくつかの机とイスのグループを室内に配置します。一つのグループには3〜6人が座るのが標準的です。グループごとに活動する場合、やりやすい配置だと言えるでしょう。
『対面形式』
面接や商談で使われるのが『対面形式』。一つの机をはさんで、向き合って座る形です。両者の関係が対等な印象になるので、改まった場面にもふさわしい配置です。ただ、人数が多い場合は端の人同士が話しづらいので、議論を重ねるのにはあまり適していません。
『正餐形式』
最後に取り上げるのが『正餐形式』。円卓をイスで取り囲んだ形式で、結婚式やパーティーで見かける配置です。円卓を囲んでいるので親睦も深まりやすく、卓ごとに話も盛り上がりそうです。
どんな配置であっても、注意したいのが「席次」の問題です。部屋の入り口から遠いところに、目上の人を配すのが基本です。一方で、議長席があるようなレイアウトの場合には、議長から近い順に、目上の人が座っていきます。
席次と同時に気をつけたいのが、イスの種類。ソファなどがある場合には、長椅子→一人用のひじかけ椅子→背もたれのみある椅子→背もたれのない椅子の順で格が下がるので、座る場所と同時に気を配ることが重要です。
会議の種類や目的、参加者によって、適切な席の配置があります。利用する部屋の大きさや机・イスのサイズや数と一緒に、配置についても考えてみることが重要です。たかが座席ですが、そのレイアウト一つで会議の収穫も変わってくるかもしれません。
＜参考＞
http://www.kaigishitu.com/column/article/column1_4.html
http://liginc.co.jp/life/useful-info/105716
