「だらだらと時間ばかりかかる」「議論が深まらない」「結論が出ない」…。
開催者や参加者の誰もが、合理的で効率化された運営を望んでいながら、どうしても無駄が多くなってしまうのが『会議』というもの。この無駄をなくすにはどうしたらいいのでしょうか？多くの有名企業が、会議を合理的に進めていくために行っているノウハウをご紹介します。
楽天の場合
楽天では、会議の時間を短縮するために、会議資料を前日までに提出することを義務づけています。三木谷社長いわく、会議を長引かせる原因になっているのが、資料の説明。会議中、大半の時間が資料の説明に費やされることは有意義でないと考えました。前日までに資料がそろっていれば、会議開催までに内容は頭に入れられるので、当日は分からないところを説明してもらえばいいだけ。これによって「1時間の会議が10分で終わる」と、同社長は述べています。参加メンバーがきちんと資料に目を通すことを徹底できれば、大きく時短になる運営ルールだといえるでしょう。
Googleの場合
同じ「時間の有効活用」という観点から、googleもあるルールを設けています。それは会議中にタイマーをプロジェクターで映し出すというもの。ダラダラと進めてしまいがちな議事も時間を意識することで、効率的に進行できそうです。また同社では、大きな議題を扱う時にも、プロジェクトやテーマにそって会議を小規模なものにブレークダウンし、5〜10分単位に時間を分けて進めていくことで時間を効率化しています。議事全体の成り立ちを見極めて配分するのは難しく、一筋縄ではいかないことも多そうですが、より中身のある結果を導くのにも貢献してくれそうです。
さらに、同社は「オフィスアワー」を設定。面談や打合せのためだけに使う時間を指定しておくことで、会議の開催時間をめぐって、上司のスケジュールを見ながら調整に苦慮するようなことが少なくなるよう工夫されています。忙しいボスとも、打ち合わせられる時間が決まっていることで、会議に向けた時間の使い方も合理化されることでしょう。
日産の場合
カルロス・ゴーン社長の就任によって、企業内のいたるところに合理化のメスが入れられた日産。会議についても例外ではありません。「V-up」と呼ばれる日産式の会議では、議事録をつくりません。用意するのは、模造紙と大量の付箋紙。参加者はテーマや目的に沿って自分のアイデアを付箋に書き、模造紙に貼っていきます。そして、皆の意見が集まった模造紙をカメラで撮り、議事録の代わりとします。付箋に書くために、参加者も考えを深め、さらに簡潔に表現するので、自然に議論が深まり実のあるものになります。冗長な発言や脱線を抑えることもできます。また、議事録を取る人によって、結論が変わってしまう危険も避けられます。その他、「決裁者は議論に参加しない」「その日のうちに結論を出す」「会議の結論が出ることで得られる金額効果を事前に周知する」など、合理化を極めたノウハウが目につきます。
アマゾンの場合
アマゾンでは意外な方法で会議の効率を高めています。それは、資料にパワーポイントを使わない、というもの。パワーポイントでの資料は、どうしても見栄えにこだわってしまい、中身が浅くなってしまいます。「伝えたいことをわかりやすく伝える」「資料作成に無駄な時間をかけない」ために、シンプルにレポート用紙２−３枚にまとめることを推奨しています。単純なことですが、会議の本質を見据え、時短にも貢献する大きな提案だといえるでしょう。
世界に名だたる4社—。どの企業も、無駄を減らし実りの多い会議にするために、実践的な方法を取り入れていました。
時間を意識すること、議事を整頓すること、意見の伝え方、議事録の残し方…。工夫できる要素はたくさんあります。非生産的な会議を嘆く前に、運営ルールの見直しから始めてみるのもいいかもしれません。
＜参考＞
http://liginc.co.jp/life/useful-info/113122
http://www.lifehacker.jp/2010/01/100106google6.html
http://president.jp/articles/-/11082?page=2
http://www.powerweb.co.jp/blog/detail/00060.html
